「レンタルスペースは、個人でも始めやすい副業らしい」
そのような話を聞いたことはあっても、具体的に何を貸し、どのように利益を得るのかまでは、よく分からない方も多いのではないでしょうか。
レンタルスペースとは、会議やレッスン、撮影、施術、パーティーなどに使う部屋を、必要な時間だけ貸し出すサービスです。「レンスペ」と略されることもあります。
運営者は、用途に合った部屋と設備を用意し、利用時間に応じて料金を受け取ります。たとえば、ダンススタジオを1時間2,000円で貸し出し、1日に5時間予約が入れば、その日の売上は1万円です。そこから家賃や予約サイトの手数料、清掃費などを差し引いた金額が利益になります。
予約受付や決済、入室方法の案内はオンラインで自動化できます。利用者が来るたびに現地で受付をする必要がないため、会社員が本業を続けながら運営することも可能です。これが、レンタルスペースが副業として注目される大きな理由です。
ただし、部屋を用意すれば自動的に利益が出るわけではありません。地域に需要がなければ予約は入らず、売上があっても家賃や手数料が高ければ赤字になります。無人で運営できても、清掃や設備管理、問い合わせ、トラブルへの対応は必要です。
筆者は、横浜市内で2店舗のレンタルスタジオを運営しています。この記事では、その経験をもとに、レンタルスペースの仕組みや種類、費用と収益、実際の仕事内容、副業として始めやすい理由と注意点まで、初めての方にも分かるように解説します。
まずはレンタルスペースのビジネスモデルを理解しよう
レンタルスペースの仕組みは複雑ではありません。運営者が継続して使える部屋を確保し、利用者には30分や数時間などの短い単位で貸し出します。予約が入った時間を積み重ねて売上を作るビジネスです。
利用者がお金を払って借りるのは、「場所は必要だが、自分で持ち続けるほどではない」からです。具体的には、次のような人が利用します。
- 外出先で1時間だけオンライン会議をしたい会社員
- 毎週2時間、ダンスやヨガのレッスンを開きたい講師
- 3時間だけ写真や動画を撮影したいクリエイター
- 施術の予約が入った時間だけサロン設備を使いたい施術者
- 誕生日会や交流会を4時間だけ開きたいグループ
自宅では広さや設備が足りない、音を出せない、カフェでは周囲の目が気になる。こうした不便を、必要な時間だけ借りられる部屋で解決します。つまり運営者が提供する価値は、空室そのものではなく、利用者が目的を果たせる環境です。
運営者は「部屋」ではなく「利用できる時間枠」を売る
運営者が提供するのは、物件そのものではなく、用途に合った設備を備えた空間を利用できる時間です。
たとえばレンタルスタジオでは、ヨガやダンス、演劇の稽古など、利用者がそれぞれの目的に合わせて空いている時間を予約します。同じ部屋を1日に複数の利用者へ貸し出せるため、予約時間が増えるほど売上も増えていきます。
ただし、営業時間を長く設定しても、予約が入らなければ売上にはなりません。レンタルスペースの基本的な売上は、次の式で決まります。
基本売上 = 予約時間 × 時間単価
人数追加料金や設備レンタル、清掃、飲食などのオプションを設定している場合は、その料金も売上に加わります。
予約から入金までの流れ
利用者は、予約ポータルサイトや自社サイトで空き時間を確認し、日時と利用時間を選んで予約・決済します。運営者は予約内容に応じて入室方法を案内し、利用後に売上を受け取ります。
- 利用者がスペースを検索する
- 写真・料金・設備・レビューを比較する
- 希望する日時を予約し、料金を支払う
- 自動送信された案内を見て入室・利用する
- ポータルサイトや決済会社の手数料を差し引いた金額が運営者へ入金される
ポータルサイトを使えば開業直後でも利用者に見つけてもらいやすい反面、予約ごとに手数料がかかります。自社サイトから直接予約を受ければ手数料を抑えやすい一方、自分で利用者を集めなければなりません。この違いが、後ほど説明する利益に大きく影響します。
レンタルスペースの代表的な種類と用途
ここまでの仕組みはどのレンタルスペースも同じですが、何に使う部屋を貸すかによって、必要な設備や予約される時間帯、運営の負担が変わります。副業として検討するなら、売れそうかだけでなく、自分が管理できる業態かも確認する必要があります。
| 種類 | 主な用途 | 主な設備 | 運営上の特徴 |
|---|---|---|---|
| 貸し会議室 | 会議、商談、面接、研修、勉強会 | 机、椅子、Wi-Fi、モニター、ホワイトボード | 設備は比較的シンプルだが、競合と差別化しにくい |
| レンタルスタジオ | ダンス、ヨガ、演劇、トレーニング | 大型鏡、音響、床、更衣スペース | 定期利用につながりやすい一方、音や振動への対策が必要 |
| 撮影スタジオ | 写真、動画、商品、配信、コスプレ撮影 | 照明、背景、家具、撮影小物 | 写真で魅力が伝わる空間づくりと、定期的な模様替えが重要 |
| パーティールーム | 誕生日会、交流会、料理会、推し活 | 家具、食器、調理器具、ゲーム | 清掃、ごみ、騒音、破損への対応負担が大きい |
| レンタルサロン | 整体、マッサージ、ネイル、美容施術 | 施術ベッド、鏡、ワゴン、手洗い設備 | 衛生管理とプライバシーへの配慮が必要 |
| キッチンスタジオ | 料理教室、試食会、撮影、菓子製造 | 厨房機器、調理器具、冷蔵庫、換気設備 | 火気・衛生・提供内容に応じた確認が必要 |
貸し会議室・セミナールーム
貸し会議室は、企業の会議や商談、採用面接、研修、セミナーなどに使われます。
机・椅子・Wi-Fiを中心に比較的シンプルな設備で始められるというメリットがありますが、それ故に競合と差別化しにくいというデメリットもあります。
同じ地域に似た会議室が多い場合は、駅からの距離、定員、価格、モニターの大きさ、室内の明るさなどで比較されます。
レンタルスタジオ
ダンス、ヨガ、フィットネス、演劇の稽古などに利用されます。講師やチームが毎週同じ曜日・時間に使うことがあるため、定期的な予約につながりやすい種類です。
一方で、大型鏡や音響設備、床の施工などに費用がかかる場合があります。また、音や振動が近隣トラブルにつながる可能性があるため、スタジオとして利用できる物件は見つけにくい傾向があります。
撮影スタジオ・ハウススタジオ
写真や動画、商品、YouTube、配信、コスプレなどの撮影に使われます。広さだけでなく、自然光、壁や床の色、家具、小物、撮影パターンの多さなどが選ばれる理由になります。掲載写真と実際の空間に差があると低評価につながるため、清潔さと内装の状態を保つことも重要です。
パーティールーム
誕生日会、交流会、料理会、推し活など、複数人で集まる用途に使われます。利用時間が長く、繁忙期には売上を伸ばしやすい一方、他のジャンルのスペースと比較してゴミの放置、騒音、備品破損、無断延長などのリスクが高い傾向にあります。セルフ清掃に任せる範囲と、運営者が行う清掃の範囲を明確にする必要があります。
レンタルサロン
レンタルサロンは、整体、マッサージ、ネイル、ヘアメイクなどの施術に利用されます。同じ施術者が固定客の予約に合わせて繰り返し利用することがあるため、同じ施術者による継続利用や定期利用につながりやすい業態です。一方で、施術ベッドや鏡などの設備に加え、着替えや手洗いのしやすさ、換気、清掃にも配慮する必要があります。
「どの種類が優れているか」ではなく、地域の需要と物件条件が合っているか、必要な設備を用意できるか、運営負担が自分の対応できる範囲に収まるかで判断しましょう。
レンタルスペースの種類の詳細は「レンタルスペースの種類は?用途別のメリット・デメリットを運営者目線で比較」も参考にしてください。

民泊・コワーキングスペースとの違い
レンタルスペースと民泊、コワーキングスペースは、いずれも場所を提供するサービスです。ただし、利用目的や空間の使い方、主な運営業務が異なります。
| 比較項目 | レンタルスペース | 民泊 | コワーキングスペース |
|---|---|---|---|
| 利用目的 | 会議、レッスン、撮影、集まりなど | 宿泊・滞在 | 仕事、勉強、交流 |
| 主な利用単位 | 30分・1時間など | 1泊単位 | 時間、1日、月単位など |
| 空間の使い方 | 予約した部屋を貸し切る | 宿泊施設を利用する | 席や設備を共有することが多い |
| 主な設備 | 用途別の家具・鏡・音響・撮影設備など | 寝具、浴室、トイレなど | デスク、椅子、Wi-Fi、電源など |
| 主な運営業務 | 予約枠、設備、清掃、利用ルールの管理 | 宿泊者対応、寝具交換、宿泊施設の管理 | 共用部、会員、席、コミュニティの管理 |
民泊は「泊まる場所」、コワーキングスペースは「作業する席や共有空間」、レンタルスペースは「目的に合わせて一定時間貸し切る部屋」と考えると違いが分かりやすくなります。
ただし、事業者が付けた名称だけで法令上の扱いが決まるわけではありません。宿泊させる、飲食物を調理・提供する、特定の施術を行うなど、実際のサービス内容によって必要な許可や設備が変わる場合があります。
3事業の費用、手間、収益構造、法的な確認事項は「レンタルスペース・民泊・コワーキングスペースの違いは?副業目線で比較」で詳しく比較します。

なぜレンタルスペースを借りる人がいるのか
運営を考えるうえでは、利用者が何にお金を払っているのかを理解することが欠かせません。レンタルスペースの需要は、「場所を所有せず、必要なときだけ使いたい」という人から生まれます。
場所を持たなくても活動できる
教室や施術、撮影を始めるために、自分で店舗を借り続ける必要はありません。週1回の講師なら週1回、月2回の撮影なら月2回だけ借りればよいため、教室やサービスを提供する側の固定費を抑えられます。
自宅や一般的な施設では満たせない条件を選べる
自宅や一般的な施設では、音を出せない、十分な広さがない、必要な設備がないといった問題があります。レンタルスペースなら、防音設備、大型鏡、広い床、施術ベッド、撮影用の背景、モニターなど、目的に合った環境を必要な時間だけ利用できます。
また、貸切で利用できるため、会議の内容を周囲に聞かれたくない場合や、施術中のプライバシーを守りたい場合にも適しています。
Web上で検索から決済まで完結できる
利用者は、地域、日時、人数、用途などの条件から候補を探し、写真やレビューを比較して予約できます。空き状況の確認から決済までWeb上で完結するため、運営者と何度も日程を調整する必要がありません。
レンタルスペース運営を始める3つの方法
レンタルスペースは、必ずしも新しく物件を借りて始めるとは限りません。主な始め方は3つあります。
| 始め方 | 特徴 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 所有物件を活用する | 新たな賃料負担を抑えながら、空き部屋を収益化できる | 管理規約、用途、近隣環境、建物設備を確認する |
| 賃貸物件を借りる | 需要のある場所で、用途に合った物件を選べる | 貸主の許可が必要で、予約がなくても家賃が発生する |
| 既存店舗の空き時間を貸す | すでにある設備を活用でき、追加投資を抑えやすい | 本来の営業との予約調整や、利用後の原状回復が必要 |
所有物件の空き部屋を活用する
自分が所有する建物や空き部屋を活用する方法です。新たに物件を借りる必要がないため、賃貸物件で始める場合と比べて、毎月の固定費を抑えやすい点がメリットです。
ただし、マンションやビルの一室を利用する場合は、管理規約などで不特定多数の出入りや時間貸しが制限されていないか、事前に確認する必要があります。
賃貸物件を借りて開業する
需要のある地域で、用途に合った物件を借りる方法です。所有物件がなくても始められるため、個人が副業としてレンタルスペースを開業する場合は、この方法が選択肢になります。
ただし、事務所利用や店舗利用が認められていても、第三者への時間貸しまで許可されているとは限りません。予定している用途や営業時間、利用人数、音や振動の有無を貸主や管理会社へ説明し、契約前に書面で許可を得る必要があります。
既存店舗の空き時間を貸し出す
教室やサロン、スタジオなど、すでに運営している店舗の空き時間を貸し出す方法です。既存の内装や設備を活用できるため、新たに物件を借りる場合よりも初期費用を抑えやすくなります。
一方で、自店の営業と貸し出す時間が重ならないよう、予約を管理する必要があります。外部の利用者へ貸し出すことが賃貸借契約で認められているか、利用後に設備やレイアウトを元の状態へ戻せるかも確認してください。
個人の副業でも始めやすいといわれる理由
レンタルスペースは1室から始められるうえ、利用者ごとに対面で接客する必要がありません。そのため、個人でも本業と並行して運営しやすい面があります。
物件を購入せずに1室から始められる
貸主の許可を得られれば、賃貸物件でも開業できる場合があります。最初から複数の店舗や大規模な施設を用意する必要はなく、1室の需要と採算を確かめながら運営経験を積めます。
ただし、会議室なら机と椅子、スタジオなら鏡と床、撮影スペースなら内装と照明というように、用途に応じた設備は必要です。「1室から始められる」ことと、「初期費用がほとんどかからない」ことは同じではありません。
予約・決済・入室案内を自動化できる
予約システムを使えば、空き状況の表示、予約受付、事前決済、利用案内の送信を自動化できます。スマートロックやキーボックスを利用すれば、予約のたびに現地で鍵を渡す必要もありません。
利用者はいつでも予約でき、運営者は本業中に予約を受け付けたり、現金を管理したりする必要がなくなります。これは、常にスタッフを配置する店舗型ビジネスとの大きな違いです。
手順が固まった作業を外注しやすい
清掃、備品補充、定期点検などは、作業内容と報告方法を決めれば外注できます。問い合わせ対応や料金調整まで含む運営代行サービスもあります。
ただし、開業直後からすべてを丸投げすると、利用者がどこで迷うのか、清掃のどの作業に時間がかかるのか、何が低評価につながるのかを把握できません。まずは自分で運営を経験し、作業手順を言語化してから委託する方が、品質と費用を管理しやすくなります。
定期利用が増えると売上を見通しやすい
ダンスやヨガの講師が毎週同じ時間に利用する、企業が月1回の会議で使うなど、定期利用が増えれば、毎月の売上を見通しやすくなります。新規予約だけを毎月集め続ける状態より、集客の負担も小さくなります。
一方、撮影やパーティーなど単発利用が中心の業態では、定期予約が増えにくい場合があります。リピートのしやすさは種類によって異なります。
仕組みを再利用して多店舗へ展開できる
1店舗目で、物件条件、必要設備、写真、料金、利用案内、清掃手順、集客方法が固まれば、その経験を2店舗目以降へ応用できます。予約管理や問い合わせ対応も共通化できます。
ただし、1店舗目が赤字のまま店舗数を増やせば、固定費だけでなく、運営上の問題まで増えてしまいます。多店舗化は、黒字化した仕組みを広げる手段であり、赤字を店舗数で埋める方法ではありません。
レンタルスペースが副業に向いている本当の理由は、最初から仕事が少ないからではありません。開業後に運営方法を仕組み化し、自分で行う作業を減らしやすいからです。

無人運営でも実際にはどんな仕事がある?
レンタルスペースは現地に常駐せず運営できますが、完全放置はできません。仕事は、開業準備、日常運営、定期的な改善、緊急対応に分けて考えると分かりやすくなります。
| 時期・頻度 | 主な仕事 | 自動化・外注しやすさ |
|---|---|---|
| 開業前 | 需要調査、物件探し、収支計算、契約、内装、設備準備、撮影、予約ページ作成 | 運営者自身による判断が中心 |
| 予約ごと | 予約受付、決済、利用案内、入室方法の案内 | システムで自動化しやすい |
| 日常 | 問い合わせ、清掃、備品補充、破損確認、忘れ物対応 | 定型化すれば一部を外注できる |
| 週・月単位 | 売上、予約時間、手数料、経費、レビューの確認 | 集計は自動化できるが、判断は必要 |
| 随時 | 料金、写真、設備、案内文、集客経路の改善 | 運営者が状況を見て判断する |
| 緊急時 | 鍵、設備、騒音、無断延長、汚損、近隣苦情への対応 | 対応者と連絡手順を事前に決めておく |
開業前は副業でも作業量が多い
需要調査、物件内見、契約交渉、内装、設備購入、写真撮影、利用規約、予約ページの作成など、開業前には判断と作業が集中します。本業がある場合は、休日や夜間に準備する時間を確保する必要があります。
開業後は突発的なトラブルへの備えが必要
通常の予約は自動で処理できても、「鍵が開かない」「前の利用者が退出していない」「設備が動かない」といったトラブルは突然発生します。運営者がすぐに現地へ行けない場合は、遠隔対応用のマニュアル、予備の入室方法、現地対応を依頼できる人を準備しておきます。
経営判断は自動化できない
予約受付を自動化しても、料金を上げるか、設備を追加するか、広告を続けるか、ポータルサイトへの依存を減らすかといった判断は残ります。レンタルスペースは不労所得ではなく、作業の一部を自動化できる店舗経営と捉える方が実態に近いです。
レンタルスペースを投資感覚で始める危険性は「レンタルスペースは投資じゃなく経営!利益率と回収期間で考える成功のポイント」、具体的な仕事内容と外注判断は「レンタルスペースの運営方法は?仕事内容と運営代行を利用する判断基準」で詳しく解説します。


レンタルスペースの初期費用と毎月かかる経費
ビジネスモデルと仕事内容が分かったら、次に確認したいのが必要なお金です。費用は、開業前に支払う初期費用と、開業後に発生する運営費に分かれます。初期費用だけを用意しても、予約が安定する前に資金が尽きる可能性があるため、開業後の運転資金も必要です。
| 区分 | 主な費用 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 物件取得費 | 敷金、礼金、仲介手数料、保証料、前家賃 | 事業用物件は、住居よりも保証金が高い場合がある |
| 内装工事費 | 床、壁、照明、防音、電気、空調、給排水 | 用途と物件の状態によって金額が大きく変わる |
| 設備・備品費 | 机、椅子、鏡、音響、家具、撮影機材、施術ベッド | 利用者が本当に必要とする設備から優先する |
| 開業準備費 | Wi-Fi、スマートロック、写真撮影、予約システム、保険 | 無人運営と集客に必要な費用も含める |
| 毎月の固定費 | 家賃、共益費、通信費、システム利用料 | 予約がゼロでも発生する |
| 売上に連動する費用 | 予約ポータルサイト手数料、決済手数料 | 予約経路によって手元に残る金額が変わる |
| 運営費 | 清掃、光熱費、消耗品、修繕、運営代行費 | 稼働率や外注範囲によって増減する |
初期費用のモデルケース
家賃10万円の小規模な賃貸物件を借り、大規模な工事をせずにレンタルスペースを開業する場合は、次のような費用が考えられます。
| 項目 | 金額例 |
|---|---|
| 敷金・礼金・仲介手数料・保証料・前家賃など | 50万円 |
| 壁・床・照明などの内装 | 30万円 |
| 家具・設備・備品 | 25万円 |
| Wi-Fi・スマートロック・予約環境 | 10万円 |
| 写真撮影・消耗品・その他の準備費 | 5万円 |
| 合計 | 120万円 |
この例では、開業までに約120万円かかります。ただし、実際の初期費用は物件の契約条件や、開業するレンタルスペースの種類によって大きく変わります。
机や椅子を中心とした貸し会議室なら、既存の内装を活用して費用を抑えられる場合があります。一方、床の施工や防音・防振工事まで必要になるような物件では、初期費用が数百万円になることもあります。
また、初期費用だけを用意すれば十分とは限りません。開業直後から予約が安定するとは限らないため、初期費用とは別に、数か月分の家賃や光熱費などを支払える運転資金も確保しておきましょう。
初期費用はできるだけ抑えた方が資金を回収しやすくなります。ただし、利用者が必要とする設備まで削ると、予約されにくくなる可能性があります。想定する利用者と用途を明確にし、必要な設備はそろえつつ、予約につながらない内装や備品への支出を抑えるように意識しましょう。
レンタルスペースの主な集客方法
レンタルスペースは、開業して予約ページを公開しただけでは利用者に見つけてもらえません。まずは、スペースを探している人との接点を作る必要があります。
主な集客方法は、予約ポータルサイト、Google検索・Googleマップ、SNS、利用者への再予約案内です。それぞれ役割が異なるため、想定する利用者に合わせて組み合わせます。
| 集客方法 | 主な役割 | 注意点 |
|---|---|---|
| 予約ポータルサイト | スペースを探している利用者に見つけてもらう | 予約が成立すると手数料がかかる |
| Google検索 | 地域名や用途で検索する利用者を集める | 検索需要が少ない地域や用途では効果が限られる |
| Googleマップ | 利用したい地域から探す利用者に見つけてもらう | 写真・店舗情報・口コミの管理が必要 |
| SNS | 写真や動画で空間の雰囲気や使い方を伝える | 継続的な発信が必要で、業態によって向き不向きがある |
| 再予約の案内 | 一度利用した方に再び予約してもらう | 利用体験や予約のしやすさが継続利用に影響する |
開業直後は予約ポータルサイトを活用する
開業直後は、自社サイトの検索順位や口コミがなく、スペースの存在もほとんど知られていません。予約ポータルサイトへ掲載すれば、地域や用途、日時などの条件からスペースを探している利用者に見つけてもらいやすくなります。
一方で、ポータルサイト経由の予約には成約手数料がかかります。たとえば、インスタベースの公式ヘルプでは、時間・人数単位の料金プランに対する成約手数料は35%です。予約売上が10万円なら、3万5,000円が手数料として差し引かれます。
参考:インスタベース「スペースの掲載に費用はかかりますか?」
ポータルサイトは、開業直後の新規集客に役立ちます。ただし、利用者は同じ地域のスペースを写真、料金、設備、レビューなどで比較します。掲載するだけで予約が入るわけではないため、写真や説明文、料金、設備、利用条件を競合と比較しながら改善する必要があります。
Google検索とGoogleマップから集客する
利用者は、「横浜 ダンススタジオ」「新宿 貸し会議室」など、地域名と用途を組み合わせて検索することがあります。Google検索やGoogleマップにスペースの情報を掲載しておけば、利用したい場所や目的が決まっている人に見つけてもらえます。
ただし、自社サイトを作っただけでは、検索結果の上位に表示されるとは限りません。地域や用途に合ったページを作り、料金、設備、写真、アクセス、利用方法など、予約前に知りたい情報を分かりやすく掲載する必要があります。
また、その地域や用途を検索する人がほとんどいなければ、検索対策をしても多くの集客は期待できません。開業前に、どのような言葉で検索されているかを確認することが重要です。
SNSは写真や動画と相性のよい業態で活用する
撮影スタジオやパーティールームなど、空間の雰囲気が選ばれる理由になる業態は、InstagramやTikTokなどのSNSと相性が良いと言えます。写真や動画を使って、掲載ページだけでは伝わりにくい広さや設備、利用方法を紹介できます。
一方で、貸し会議室のように、利用者が必要な日時や地域から検索して選ぶことの多い業態では、SNSを継続しても予約につながりにくい場合があります。すべての集客方法に取り組むのではなく、自店の利用者がどこでスペースを探すのかを考えて選びましょう。
一度利用した方の再予約を増やす
新規利用者を毎回集め続けるだけでなく、一度利用した方に再び予約してもらうことも重要です。
室内が清潔で、設備が使いやすく、入退室の案内も分かりやすければ、次回も同じスペースを選んでもらいやすくなります。ダンスやヨガのレッスン、定期的な会議などでは、継続利用や定期予約につながることもあります。
利用後の案内メールや室内掲示などで、次回の予約方法を分かりやすく伝えておきましょう。ただし、予約ポータルサイトの利用者を外部予約へ案内する場合は、各サービスの規約を確認する必要があります。
集客方法と予約を受ける場所は分けて考える
Google検索やSNSは、利用者にスペースを見つけてもらうための方法です。一方、自社サイトや自社の予約ページは、スペースの情報を伝え、予約を受けるための場所です。
自社サイトには、ポータルサイトのように利用者を自動的に集める機能はありません。Google検索、Googleマップ、SNSなどから自社サイトへアクセスしてもらう必要があります。
開業直後はポータルサイトを新規集客の入口として活用しながら、Google検索やGoogleマップからの集客、一度利用した方の再予約も増やしていきます。特定の方法だけに頼らず、複数の方法を組み合わせることが、安定した集客につながります。
す。
レンタルスペースの売上と利益を具体例で解説
レンタルスペースの売上は、予約された時間と平均単価によって決まります。
たとえば、平均単価2,200円のスペースに月100時間の予約が入った場合、予約売上は22万円です。
予約売上=予約時間×平均単価
ただし、予約売上がそのまま利益になるわけではありません。家賃や共益費、予約ポータルサイトの手数料、清掃費、水道光熱費などを差し引き、残った金額が利益になります。
利益=予約売上-運営にかかった経費
ここでは、平均単価2,200円、毎月かかる基本的な運営コストが17万円のスペースを例に、黒字化に必要な予約時間を計算します。
自社予約だけなら月約77時間で運営コストを回収できる
すべての予約を自社サイトから受け、予約ごとの手数料がかからない場合は、約77時間の予約で17万円の運営コストを回収できます。
17万円÷2,200円=約77時間
月30日営業する場合、1日平均では約2.6時間です。これを超えた分が、利益として残る計算になります。
これは仕組みを分かりやすくするための簡易的な試算です。実際には、予約数に応じて増える清掃費や水道光熱費、消耗品費なども考慮する必要があります。
ポータルサイトを利用すると必要な予約時間が増える
予約ポータルサイトを利用すると、予約売上から成約手数料が差し引かれます。
仮に手数料率を35%とすると、平均単価2,200円の予約から運営者に残る金額は、1時間当たり1,430円です。
2,200円×(1-35%)=1,430円
すべての予約がポータルサイト経由の場合、17万円の運営コストを回収するには約119時間の予約が必要になります。
17万円÷1,430円=約119時間
予約経路による違いを比較すると、次のようになります。
| 予約経路 | 1時間当たりに残る金額 | 黒字化に必要な予約時間 | 1日平均 |
|---|---|---|---|
| すべて自社予約 | 2,200円 | 約77時間 | 約2.6時間 |
| 自社予約50% ポータル予約50% | 1,815円 | 約94時間 | 約3.1時間 |
| すべてポータル予約 | 1,430円 | 約119時間 | 約4.0時間 |
同じ平均単価と運営コストでも、どこから予約を受けるかによって、黒字化に必要な予約時間は変わります。予約売上だけでなく、手数料を差し引いたあとにいくら残るかを確認することが重要です。
筆者が運営するレンタルスタジオの実績
筆者が横浜市内で運営するレンタルスタジオでは、2025年8月に約170時間の予約が入り、予約売上は37万5,000円でした。
売上の内訳は、自社予約が17万5,000円、予約ポータルサイト経由が20万円です。
| 自社予約の売上 | 17万5,000円 |
|---|---|
| ポータル予約の売上 | 20万円 |
| 予約売上の合計 | 37万5,000円 |
| ポータルサイトの手数料 | 7万円 |
| 手数料差引後の売上 | 30万5,000円 |
| 基本的な運営コスト | 約17万円 |
| 概算の営業利益 | 13万5,000円 |
| 予約時間 | 約170時間 |
予約売上37万5,000円からポータルサイトの手数料7万円を差し引くと、30万5,000円が残ります。さらに、家賃などの基本的な運営コスト約17万円を差し引いた結果、概算の営業利益は13万5,000円となりました。
この金額は、横浜市内のレンタルスタジオにおける特定の1か月の実績です。税金や筆者自身が行った運営業務の人件費は含めていません。また、地域、業態、広さ、家賃、季節、予約経路などによって結果は変わります。
レンタルスペースが儲かるかどうかは、売上の大きさだけでは判断できません。想定する平均単価と予約時間から売上を計算し、手数料や毎月の経費を差し引いても利益が残るかを確認する必要があります。
詳しい収益モデルと損益分岐点の計算方法は「レンタルスペースは儲かる?収益モデルと黒字化に必要な稼働率」で解説しています。
レンタルスペース運営のメリットとデメリット
| メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|
| 物件を購入せずに始められる | 用途・時間貸しについて貸主の許可が必要 |
| 1室から小さく始められる | 物件取得費と内装・設備費は先に発生する |
| 予約・決済・入室をオンライン化できる | 問い合わせや緊急対応までなくなるわけではない |
| 常駐型の店舗より本業と両立しやすい | 清掃、備品補充、設備管理が必要 |
| 定期利用やリピーターを獲得できる | 需要が少ない地域や用途では予約が増えにくい |
| 運営方法を固めれば多店舗へ展開できる | 店舗数に応じて固定費と管理範囲も増える |
最大のメリットは仕組み化できること
レンタルスペースは、接客を毎回行わなくても利用してもらえるため、予約受付や入室案内を仕組みに置き換えられます。運営方法が固まれば、清掃や点検も手順化でき、運営者の作業時間を減らせます。
最大のデメリットは予約がなくても固定費が発生すること
賃貸物件では、予約が入らない月にも家賃が発生します。開業前に内装や設備へ投資するため、「需要がなかったので簡単にやめる」という判断もしにくくなります。始めやすさだけでなく、撤退しにくさも理解しておく必要があります。
レンタルスペースで失敗しやすい5つの考え方
需要を確認せず、気に入った物件で始める
「内装がきれい」「駅に近い」「家賃が安い」という理由だけでは、その用途に需要があるか分かりません。ダンススタジオを作るなら、その地域でスタジオを探す人がいるか、どのエリアから利用者が来るのか、競合の予約がどの程度埋まっているかを確認します。
実例として、筆者が横浜市内で運営する1店舗は、検索需要がほとんどない地域で開業し、オープンから8か月間赤字が続きました。9か月目の8月は夏休みで需要が高まることが分かっていたため、その時期を過ぎても赤字なら撤退する予定でした。結果的には9か月目に黒字化しましたが、開業前の需要調査が不十分だった事例です。
家賃が高くても売上で取り返せると考える
駅前や広い物件でも、設定できる時間単価と獲得できる予約時間には上限があります。家賃が5万円高いなら、手数料や清掃費も考慮したうえで、毎月何時間の追加予約が必要か計算します。期待する売上ではなく、競合の状況から現実的に見込める予約時間で判断します。
価格を下げれば予約が増えると考える
そもそも地域に需要がなければ、価格を下げても予約はほとんど増えません。ページは見られているのに予約されない場合は、料金だけでなく、写真、設備、レビュー、利用条件、競合との差を確認します。予約されない原因を見極めずに値下げすると、予約が増えても利益が残らなくなります。
ポータルサイトへ掲載すれば集客は終わりだと考える
ポータルサイト内でも、利用者は写真、料金、設備、レビューを比較します。競合が増えたり表示順位が変わったりすれば、予約数が減る可能性があります。新規集客の入口として活用しながら、Google検索、自社サイト、リピーターなど複数の経路を育てます。
最初から運営代行会社へ丸投げする
代行会社へ任せれば現場の負担は減りますが、売上に対する割合で代行費が発生する契約では、利益が少ない月にも費用がかかります。ポータル手数料と代行費が同時に発生すると、売上が増えても利益が残りにくくなります。
また、すべてを任せると、問い合わせが発生する原因や、レビューが下がった理由、料金を調整するための判断材料が見えにくくなります。最初は自分で現場を経験し、本当に必要な業務だけを委託する方が安全です。
赤字の原因を段階的に確認する方法は「レンタルスペースは儲からない?失敗する理由と成功のためのポイントを徹底解説」で詳しく解説しています。

レンタルスペースを開業するまでの8ステップ
レンタルスペースの開業では、いきなり物件を探すのではなく、まず自分に合うスペースの種類を決めます。そのうえで需要と競合を調べ、実際の物件にかかる費用をもとに採算を確認してから契約へ進みます。
開業までの基本的な流れは、次の8ステップです。
1.自分に合うレンタルスペースの種類を決める
最初に、自分が無理なく運営できるレンタルスペースの種類を決めます。
興味のある分野だけでなく、本業や家庭と両立できるか、清掃や問い合わせへ対応できるか、自宅や職場から無理なく通えるかも判断材料になります。自分に知識や経験がある分野なら、利用者が必要とする設備やサービスも考えやすくなります。
レンタルスペースの種類ごとの特徴は「レンタルスペースの種類は?用途別のメリット・デメリットを運営者目線で比較」で詳しく解説しています。

2.需要・競合・候補エリアの家賃相場を調べる
開業したいスペースの種類が決まったら、需要が見込めるエリアを調べます。
Googleで検索されている回数や、予約ポータルサイトに掲載されている競合の料金、レビュー、空き状況などを確認します。あわせて、そのエリアの家賃相場も調べ、売上に対して家賃が高すぎない地域を候補として残します。
エリアの調査方法は「レンタルスペースの立地はどう選ぶ?需要のあるエリアの調査方法」をご参照ください。

3.条件に合う候補物件を探す
候補エリアを絞ったら、開業するスペースに必要な条件を整理して物件を探します。
家賃、広さ、駅からの距離だけでなく、営業時間、建物の構造、音や振動、電気容量、空調、エレベーターの有無なども確認します。物件を探す前に条件の優先順位を決めておくと、見た目のよさや家賃の安さだけで判断しにくくなります。
4.候補物件の家賃と初期費用で収支を試算する
条件に合う物件が見つかったら、その物件の家賃と初期費用を使って収支を試算します。
競合の料金や予約状況を参考に売上を見積もり、家賃、予約ポータルサイトの手数料、光熱費、清掃費などを差し引いても利益が残るか確認します。敷金・礼金、仲介手数料、内装工事、設備・備品などの初期費用については、回収までにかかる期間も計算します。
5.利用許可と契約条件を確認して契約する
契約前に、貸主や管理会社へレンタルスペースとして時間貸しすることを伝え、利用許可を得ます。
事業利用や第三者の出入りが認められているか、営業時間や騒音に関する制限がないかを確認してください。口頭での説明だけに頼らず、契約書や承諾書など、後から確認できる形で許可を得たうえで契約します。
6.内装工事を行い、設備・備品をそろえる
契約後は、開業するスペースの種類に合わせて内装を整え、必要な設備や備品をそろえます。
最初からすべてを充実させる必要はありません。安全な利用と予約の獲得に欠かせない設備を優先し、利用者の反応を見ながら追加できるものは開業後にそろえる方法もあります。
7.料金・利用ルール・予約方法を決める
内装や設備の準備と並行して、利用料金、キャンセルポリシー、清掃方法、禁止事項などを決めます。
あわせて、どの予約ポータルサイトへ掲載するか、自社サイトから予約を受け付けるか、決済や入室案内をどのように行うかも決めます。無人で運営する場合は、予約から入室、利用、退出まで、利用者が迷わず進められる仕組みが必要です。
8.写真撮影・掲載・動作確認を行って開業する
準備が整ったら、スペースの写真を撮影し、料金、設備、利用条件、アクセスなどを予約ページへ掲載します。
公開前には、実際の利用者と同じように予約と決済を行い、自動メール、入室方法、スマートロック、室内案内などが正しく動作するか確認します。予約から退出までの流れに問題がなければ、掲載を開始して開業します。

開業前に確認したい契約・法令・近隣対策
需要と採算が見込めても、使えない物件を契約してしまえば開業できません。レンタルスペースを開業するだけで一律に必要となる許可があるわけではありませんが、物件の種類や利用方法、提供するサービスによって、確認すべき契約や法令は異なります。
- 賃貸借契約:事業利用、第三者の出入り、時間貸し、営業時間が認められているか
- 管理規約:マンションやビルの用途、騒音、看板、共用部利用に違反しないか
- 建築・用途:予定する使い方、人数、内装工事が建物の用途や基準に合うか
- 消防:避難経路、定員、火気、誘導灯、消火設備などに問題がないか
- サービス別の許可:宿泊、飲食物の製造・提供、施術などに必要な届出や許可がないか
- 近隣対策:音、振動、ごみ、共用部での会話、深夜早朝の出入りを抑えられるか
- 保険:施設や設備による事故、利用者による破損などに備えられるか
確認先や確認内容は、自治体、建物、用途によって異なります。契約前に貸主や管理会社へ相談し、必要に応じて自治体の建築窓口、消防署、保健所などへ具体的な運営内容を伝えて確認してください。
レンタルスペース運営に向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 需要と競合を調べてから判断できる | 気に入った物件を先に契約してしまう |
| 売上だけでなく経費と利益を確認できる | 予約が増えれば自然に利益も増えると考える |
| 利用者の不便やレビューから改善できる | 開業後はなるべく何もしたくない |
| 清掃や設備の品質を一定に保てる | 細かな管理や利用者対応を避けたい |
| 作業を整理して自動化・外注できる | 最初からすべてを丸投げしたい |
| 赤字期間と撤退条件を事前に決められる | 初期費用をかけたら黒字まで続けるしかないと考える |
必要な資格や許可は業態によって異なりますが、レンタルスペース運営そのものは、マーケティング、顧客対応、清掃、収支管理、設備対応など、複数の仕事を組み合わせる事業です。すべてを得意にする必要はありません。自分で判断すべきことと、システムや外注へ任せることを切り分けられる人に向いています。
会社員が副業として運営する場合に必要な時間や、緊急時の対応、本業や家庭と両立するための条件は「レンタルスペース運営は個人の副業に向いている?」で詳しく解説します。
レンタルスペースに興味を持ったら最初にすること
いきなり物件を探すのではなく、まずは検討している地域で、実際の利用者の立場になってレンタルスペースを検索してください。
- どの用途のスペースが存在するか
- 駅ごとに何件の競合があるか
- 料金、広さ、設備、レビューにどのような差があるか
- 平日昼、平日夜、土日に予約が入っているか
- 低評価レビューでは何が不満とされているか
次に、自分のスペースで、誰のどのような不満を解決できるかを考えます。「おしゃれな部屋を作りたい」ではなく、「大型鏡のある場所を探している5人前後のダンス利用者」「静かな個室を1時間使いたい会社員」のように、利用者と用途を具体化することが事業計画の出発点です。

まとめ
レンタルスペースとは、会議、レッスン、撮影、施術、パーティーなどのために、部屋や施設を必要な時間だけ貸し切れるサービスです。運営者は、用途に合う空間と時間枠を商品として提供します。
- 物件を購入せず、許可を得た賃貸物件1室から始められる場合がある
- 予約・決済・入室案内を自動化できるため、個人でも本業と両立しやすい
- 清掃、設備管理、問い合わせ、緊急対応、集客、収支管理は必要
- 売上は予約時間と単価で決まり、家賃・手数料・清掃費などを引いた金額が利益になる
- 予約ポータルサイトは新規集客に便利だが、手数料を含めて採算を確認する
- 物件より先に、利用者、用途、地域の需要、競合、採算を確認する
- 無人運営は可能でも、完全放置で利益が出る不労所得ではない
レンタルスペースは、始める規模を抑えやすく、運営を仕組み化できるビジネスです。一方で、場所を用意しただけでは予約は入りません。利用者が必要としている空間を、需要のある場所で、利益が残る条件で提供する必要があります。
「副業だから小さく始める」のは合理的ですが、「副業だから感覚で始める」のは危険です。1室目から、需要、採算、運営体制、撤退条件を経営の問題として考えることが、長く続けられるレンタルスペースを作る第一歩です。


